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2016.12.31

2016年の出会いと別れ。

2016年も残すところあと9時間となった。
この1年を振り返り、真っ先に浮かぶ出会いと別れがある。

メガスターとの出会いと、
寝台特急北斗星との別れである。

こうして文字にしてみて初めて気がついた。
なんと言うことだろう。

どちらも「星」だ。

メガスターが映し出す数万個の星々を目の当たりにしたとき、
プラネタリウムの優しさ、子ども時代の哀愁、今この一瞬の奇跡・・・等
言葉にならない、意識にも上らない様々なことが頭の中を駆けめぐる感じがした。

そして、自分自身を受け入れるほかなくなった。

なぜ今年になってメガスターにたどり着いたのか、今なお分からない。
大平貴之さんという人が生み出してくれたメガスター。
同じ時代に、このような人が存在してくれることが嬉しい。

空を見上げることが楽しみになった。
都会では見ることができない星々を想像することができるようになった。
自分を大切に思うことができるようになった。
人生のはかなさに寂しくもなったが、
自分が自分をちゃんと愛することに何のためらいもなくなった。

わたしは「孤独」ではなくなった。

宇宙の星々には、
いろんな距離感があって、動きがあって、流れがあって、
衝突があって、消滅があって、爆発があって・・・
それらを存在させる空間があって、闇がある。

別々の人が、異質の生物が、誰かがつくり出したありとあらゆるものが、
善悪とか、罪と罰とか、喜怒哀楽とかという概念や感情を超越して、
この宇宙にただ存在しているという現実。

そこに、何かを価値付けようとする地球に暮らす人間の性。

人や物との関わり方に筋書きなんてない。
友達とか、恋人とか、上司と部下とか、妻と夫とか、親と子とか、師弟とか・・・。
そんな言葉に表せない関係があってもいい。

わたしは「孤独」ではあり得ない。


列車の揺れ、音、車窓からの景色、停車駅での人々の様子、
トンネルを抜けたとたん目の前に広がる雪景色、札幌に降り立つときの空気・・・。

何もかもが好き過ぎて、どっぷり浸りきってしまい、写真を撮ることも忘れ、
ほとんど記録に残っていない。

贅沢だったんだと、時代に合わなくなったんだと、
廃線が決まってようやく気がついた。

2016年、寝台特急「北斗星」との別れ。

寝台特急との出会いは、幼児の頃だ。
学生になり、自分で稼ぐようになって初めて買った切符が
上野発、札幌行きの寝台特急「北斗星」だった。

関東で育った私には北海道へのあこがれがあって、
そこへ向かう気持ちの高揚には、17時間のゆったりとした時の流れと
風景の移り変わり方がぴったりだった。

上野発の寝台特急「北斗星」は、私にとって旅のロマンそのものだった。
ラストランにカメラを抱えて乗り込む気持ちには、どう転んでもなれない私がいる。
どこかで静かに受け止めている私がいる。

北海道新幹線に、今は興味はない。
国内で飛行機に乗ろうとは、思いもしない。

こんなに広い宇宙の中で・・・日本も、
効率とか、利潤とか、そういうほんの一握りの価値観に向かい、
懐が狭くなりつつあるのだなとどこかでさめている私がいる。

こんなに広い宇宙の、こんな小さな星の上で、
ほんの一瞬の時間を、共に過ごしているという奇跡の中で・・・

日本列島の魅力をたくさん感じ取らせてくれた「北斗星」。
日本に生まれ育ってよかったと思わせてくれた「北斗星」。
出会えたことに感謝しよう。
すてきな時間を過ごさせてくれて、本当にありがとう。

ただ1日が過ぎるだけ・・・なのだけれど、
たった1秒が過ぎるだけ・・・なのだけれど、
また新しい一年が始まるその前に、
2016年の出会いと別れに、やっぱり私は感謝する。

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