さらば、ガストロンジャー。
平成24年1月6日金曜日。
今日が、自分にとっては年末年始休みの最後の日。
明日からは暦通りの休日で、10日から仕事再開。
そろそろ夜型生活から朝方に切り替える。
朝5時過ぎに駅へ向かう精神力を目覚めさせるために。
そんな朦朧とした意識の中
渋谷公会堂へ、あるバンドのライブに行った。
夏の日比谷野外音楽堂以来だ。
たかだか半年・・・とはいえ、
その間にそれぞれの日々に悲喜交交あったことだろう。
あまり早く行きたくなくて、ぎりぎりまで自宅で本を読みふけり、
地元の書店で、書架を隅々まで見て回り、
乗り遅れたら開演に間に合わないであろう電車に飛び乗り、
渋谷へ向かった。
車中で、読みかけの本を読み続けた。
ある学者の書籍を集中的に読んでいる時期。
新書版で、今4冊目を読んでいる。
新しく得る知識もたくさんあるが、
その表現の半分は、
今まで自分が考えていたことや
戸惑いながらも判断して実践してきていたことを
「それでよいのだよ」
と、勇気づけてくれるような明確な内容である。
本を読むことがたまらなく好きなのは、まさにこのためである。
新しい知識への出合い。
自分の中のもどかしい思いの明確化。
それが、新たな一歩を踏み出す力となる。
ライブの後は、大抵呆然としているので、感想らしい感想は書けないが、
今日は、正月休みの最後でもあり、
新年の抱負もかねて感じたことを記しておこうと思う。
渋谷公会堂へ向かう坂道。
さまざまな速度で歩く人々の間を縫いながら上っていく。
みんながみんな渋谷公会堂へ向かうわけではない。
路上でぶつぶつと文句を言っている人がいたり、
自動車の往来を整理する仕事を一生懸命している人がいたりする。
笑ったり、不機嫌だったり。
けがをしていたり、キスしていたり。
そして、渋谷ではないところでは、全く違うことが起きているだろう。
世の中の中心は、どこにでも存在する。
ドラマはどこにでもある。
わたしの足下のずっと奥の地底では、
世の中の至る所で展開されるあらゆるドラマを飲み込んでしまうような
大きな力が渦巻いているかも知れない。
だとしたら、それもまたドラマなのだ。
わたしはこれから、わたしが日本にとどまる理由の一つであるバンドのライブに行く。
でもそれは、あらゆる人々にとって価値あるものではない。
それでいい。
だから、いい。
だからこそ、彼らを通して自分を模索することができる。
「わたしはなぜ彼らを好きなんだろう」
「わたしは何を大切に思っているのだろう」
「わたしはどう生きたいのか」
そうだ。
自分のドラマを描くのだ。
ライブが始まった。
しばらくとびきりの歌声で熱唱した後、
彼はこう言った。
「なんて真剣勝負のお客さんなんだ!」
正直、つぎつぎに出す新曲がどうしても好きになれなくて、
野音でも全然乗れなくて、
売れていく彼らにだんだん価値を見いだせなくなっていた。
一旦そんな気分になるとライブの初っ端から色眼鏡で見てしまう自分がいる。
ひねくれているのやら、正直なのやら、やきもちなのやら・・・。
そんな気持ちでいるときに、
ストレートに彼は言ったのだ。
「なんて真剣勝負なんだ!」と。
リズミカルに拳を振り上げることが真剣勝負なのだとは思わないが、
この直球の言葉がわたしには一番響いた。
わたしが彼らを好きなのは、一生懸命だからだった。
真剣勝負だからだった。
「いい曲を作りたい」
「たくさんの人に聴いてもらいたい」
それが、「売れたい」ということとつながって、彼らはその道をちゃんと歩んでいる。
そこが好きだったはずだ。
「おまえも負けるなよ」
と彼らは言っているのだ。
そう、わたし自身の問題なのだ。
わたしが、わたしの人生を、真剣に生きていくべきなのに、
本当にわたしはそう生きているだろうか。
他人からすればどうでもよいわたしの人生を、
わたしがちゃんと生きていかなければ、一体誰が代わりに生きてくれるというの。
まだまだ全然本気じゃない。
小さい喜びはたくさんあるけれど、まだまだこんなものじゃない。
このままでは終えられない。
文句を言うのは簡単だし、
愚痴を言うだけでは何も変わらない。
とはいえ、他者の話を聞かず持論でごり押ししても長続きはしないだろう。
いつの時代にも
世の中の目に見えないところに、欲望の固まりが渦巻いていることはわかる。
自然の驚異的な威力に世界中の人々が心底畏敬の念を持たない限り
きっと人間の欲望が無くなることはないだろう。
化けの皮を剥がしに行ったところで、どうこうなるものではない。
足の引っ張り合い、化けの皮の剥がし合いでどんなことが起きるのか、
ある国のトップ達が毎日実践してくれている。
自分の力を蓄えていくしかない。
厳しい状況になっても対応できるような力を。
さらば、ガストロンジャー。
彼がいつも真剣に歌ってくれるガストロンジャー。
2011年にいろんなことを経験して聴いたこの歌。
なんだか昔の映画を静かに見ているような感じがした。
もう一歩先へ行こうと思う。
2012年は、自分の力を蓄えて、大切な人々とつながって、
願いの青写真を描こうと思う。
だから、さらば、ガストロンジャー。
今日のライブで胸に抱いた言葉だった。
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